お子さんの矯正治療を
ご検討されている
保護者の方へ
小児矯正は、ご自身で取り外しができる矯正装置を使用するうえに定期的な通院が必要です。そのため、お子さんの理解と協力は不可欠であり、親御さんにもご協力いただかなければなりません。
お子さんの歯の生え変わりの状況に応じて矯正治療の開始時期が異なりますので、お子さんの歯並びで気になることがあれば、まずはお早めにご相談ください。
小児矯正のメリット
あごの成長をコントロールできる
あごの成長をコントロールすることで永久歯がきれいに並ぶスペースを確保できます。10~11歳頃になるとコントロールが難しくなります。
歯が動きやすい
子どもの骨は柔らかいため、大人と比べて短い期間で歯並びを整えることができます。
適応能力が高い
子どもは大人と比べて適応能力が高いため、矯正装置に比較的早く慣れます。また、歯や歯ぐき、筋肉などが適応する能力も優れています。
抜歯の可能性が少なくなる
あごの成長を促すことで、将来的に抜歯をせずに歯並びを整えられたり、矯正治療が不要になったりする可能性が高まります。
小児矯正のタイミング
小児矯正は、前歯が永久歯に生え変わった8歳頃から始めることが一般的です。この時期はあごの成長をコントロールしやすく、小児矯正のメリットを十分に得ることができます。ただし、全てのお子さんに矯正治療が必要なわけではないため、まずはお早めにご相談ください。
なお、小児矯正は1期治療と2期治療により、治療内容や始める時期が異なります。
- 1期治療
1期治療は、前歯が永久歯に生え変わる小学生の時期に行います。あごの成長をコントロールすることで、永久歯がきれいに並ぶために必要なスペースを得られるように促します。
- 2期治療
2期治療は、1期治療を受けても満足できる歯並びにならなかった場合に行います。開始時期は永久歯が生えそろってからです。1期治療であごのスペースを広げているため、少しの矯正治療できれいな歯並びを得ることができます。
悪い歯並びが与える影響
1.むし歯・歯周病になりやすい
歯と歯の重なりや噛み合わせの問題があると、歯ブラシがすみずみまで届かず、歯垢や歯石が溜まることでむし歯や歯周病のリスクが高まります。
2.うまく噛めない
食べ物をうまく噛み砕けないことで奥歯に負担がかかったり、消化不良を起こしやすくなったりします。
3.発音障害が起こる
受け口や開咬では、サ行やタ行の発音が悪くなります。コミュニケーションに支障をきたしたり、発音にコンプレックスを抱えたりする可能性があります。
4.顎関節症の原因になる
顎の位置に問題があると、顎関節の発育に悪影響が及ぶことで顎関節症のリスクが高まります。
歯並びや噛み合わせを
悪くする癖
頬杖
歯や顎の骨に力が伝わることで歯の移動や顎の変形が起こります。
爪を噛む
上下の顎の位置がずれたり前歯が傾いたりします。
舌癖
前歯を舌で押したり歯のすき間から舌を出したりすることで前歯が傾きます。
歯ぎしり
歯がすり減って噛み合わせが深くなります。
当院で行っている小児矯正
インビザライン・ファースト
インビライン・ファーストは、混合歯列期(歯の生え変わり時期)の小児用のマウスピース型矯正です。
透明で薄いマウスピースを装着し、歯に弱い力をかけて歯並びを整えます。
金属の矯正装置とは異なり、口の中の異物感を抑えられるほか、金属アレルギーの心配もありません。
何より成長期に食べ物の制限がほぼないのが一番の利点の1つではないでしょうか。
育ち盛りのお子様が食べたい物を何でも食べられるのは、ワイヤー矯正との大きな違いです。
ご自身で取り外せるため、ご本人の協力が必要不可欠です。
食事や歯磨きのときは取り外せるため、これまでどおりに生活ができます。
また、管楽器の演奏時にも取り外せるため、演奏に支障をきたす心配もありません。
インビザライン・ファーストの適応条件
- 6歳臼歯が全て生えている
- 前歯(乳歯・永久歯問わず)の2歯が2/3以上生えている
- 顎の3/4に側方乳歯(乳犬歯含む)、または生えていない側方永久歯(犬歯を含む)が2歯以上ある
歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)
歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)は、口腔筋のバランスを整えて歯並び・噛み合わせを改善するマウスピース型矯正装置です。口腔筋が十分に機能していないと、上顎に舌がつかずに舌が下顎を前方に押してしまい、歯並びが乱れると考えられています。ムーシールドを使用して正しい口腔筋の使い方を促すことで、歯並びが乱れる原因を解消できます。
口腔筋機能トレーナー(T4K)
T4Kは、「TRAINER FOR KIDZ」の頭文字をとった言葉です。T4kの装置を使用して口腔筋のトレーニングを行い、口呼吸や舌癖などを改善して正しい顔と顎の成長・発達を促します。トレーニングを続けることで、結果的に永久歯がきれいに並ぶ口腔状態へと整えられます。
床矯正
床(しょう)矯正は、歯列を横方向へと拡大するための治療です。
ネジ式の矯正装置を装着し、ネジをしめて段階的に歯列を広げていきます。成長期に使用する装置ですが、症例によっては大人になってからでも使用できます。